Vol.12
1992年バルセロナ五輪男子マラソンにて、22.5キロの給水地点で他選手の煽りを受けて転倒しながら、見事に追い上げて8位入賞。「途中で、こけちゃいました」というコメントにお人柄がにじみ、一躍、時の人となった、谷口浩美選手。谷口選手が給水に愛飲していたのが、バイオ茶です。
出会いは1989年。上水園に農業の勉強に来ていた新地学君が、旭化成陸上部の谷口選手を連れてきました。谷口選手は母校・小林高校の体育祭で後輩たちと走った帰りでした。「レース時の給水にはとても神経を使います。実際、バイオ茶はどんなお茶ですか?」と、谷口選手に聞かれました。
「バイオ茶は、普通の日本茶です。ただ、このお茶はタンニンを分離してつくっているので吸収が早く、たくさん飲んでも胃にもたれにくくて違和感なく、味もと淡白で飲みやすい。まあ、お茶らしくない、お茶です」と、答えました。
そして、後日、40キロ走の練習でバイオ茶を試されたところ、「まったく違和感なく、勝手にお茶が入っていく感じで、すーっと喉を通る気がした」そうです。しばらくして、宗猛氏とともに来られ、翌年のロッテルダムマラソンでバイオ茶を試したいと言われました。夢でも見ているような気分でした。
開催前日、夜中2時ごろ、オランダの谷口選手から国際電話がありました。「お茶にはカフェインが含まれるが、ドーピング検査は大丈夫だろうか」というのです。国際レースは特に薬物等の検査が厳しかったためです。お湯出し茶との比較試験を公的機関でおこない、水出し茶であるバイオ茶はカフェイン、タンニン等に関して、問題なしという結果が出ていましたから、「まったく気にされなくていいですよ」と答えました。
気温が高く、過酷なコンディションとなった、レース当日。谷口選手は2時間10分52秒というタイムで優勝! 今大会に出場した、宗猛氏、喜多秀喜選手(神戸製鋼)、新宅永灯至選手(エスビー食品)全員が入賞。そして、谷口選手の優勝報告の電話で、日本代表全員がバイオ茶を給水に利用していたことを知ったのです。
後日、谷口選手はレース着用のユニホームを持って優勝報告に来てくれました。「バイオ茶をかけながらのレースだったので茶色に染まりました」と話し、サインをくださったユニホームは上水園店内の展示室に飾っています。そして、「谷口選手がレースで愛飲した、魔法のお茶」として、バイオ茶は一躍注目を浴びるようになるのです。