バイオ茶の宮崎上水園

創業明治二十九年 バイオ茶の宮崎上水園

STORY 宮崎上水園のお茶づくり 「急がず、休まず、怠らず」

Vol.11

マラソン選手との交流

1988年、当時、マラソン日本記録保持者だった、旭化成陸上部の児玉泰介選手が上水園にみえました。バイオ茶のことを知り、直接、話を聞きたいと、わざわざお越しになったのです。一流の選手はさすが情報収集に長け、行動力があると感心しました。

「このお茶は、一般のお茶とどう違うのですか?」と児玉選手から単刀直入、聞かれました。バイオ茶は、お茶の主成分タンニンの分離に成功したお茶であること。スポーツ飲料として開発したわけではなく、夏場に落ち込むお茶の消費、子どものお茶離れをなんとかしたい思いがあって取り組んだことなど、率直にお話ししました。

児玉選手はバイオ茶をコップ2杯飲んで、走り、自ら試されました。飲んだ後、すぐ走っても横腹が痛くならない。まわりから聞いていたことを、自分自身の体で実感された様子で、「本当だ、なんの違和感もないですね」と、驚かれました。

そうして、この年の夏、児玉選手は旭化成陸上部の宗茂氏、宗猛氏ら、総勢7名でいらっしゃいました。物理学者・原隆一先生が開発された独自の装置を使った、我が家のお風呂にも入浴いただき、一日ゆっくりと過ごしてもらいました。このお風呂は汗をたっぷりとかくのでとても驚かれていました。バイオ茶は一人2Lくらい飲まれましたが、「まったくお腹が張らない」と皆さん声を揃えて不思議がられました。その後、旭化成の選手は入れ替わりおいでになっては、バイオ茶を愛飲し、身をもって実感、理解を深めていってくださいました。

旭化成陸上部からの評判がきっかけで、沖電気陸上部のコーチ高木孝次氏が来られ、選手の給水に使ってくださることとなり、エスビー食品監督だった瀬古利彦氏もいらっしゃいました。宗茂氏から話を聞いて興味を持ってくださったそうです。「お茶を飲むと貧血が怖いので、なるべく控えていたが、お話を聞いて納得しました。私が現役時代にあればよかったのに」と話されていました。

情報を鵜呑みにするのではなく、自分自身で現地に赴いて話を聞き、実際に使って試し、良さを実感すれば仲間と共有する。よりよい走りを目指し、真摯に取り組む、アスリートの皆さんに、どれほど私たちも励まされ、刺激を受けたかしれません。

こうしてバイオ茶は、陸上選手の給水に選ばれ、スポーツ界で広く愛飲されるようになったのです。


児玉奏介氏(左)が宗茂氏、宗猛氏ら、旭化成陸上部の皆さんを連れてこられた
児玉奏介氏(左)が宗茂氏、宗猛氏ら、旭化成陸上部の皆さんを連れてこられた